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イラン戦争、長期投資ならやっぱり買い下がり

2026.3.19

長期投資家にとって、株式相場の急落は安く資産を仕入れる絶好の好機であることは間違いない。米国とイスラエルによるイラン攻撃が招いた今回の暴落相場もしかりだ。しかし現実には、株価がずるずる下がり、保有資産がみるみる減っていくのを目の当たりにすると、不安や怖さが先に立って身動きが取れなくなる。下落相場がいつまで続き、株価がどこまで下がるかは誰にもわからない。そんな時には買い出動のルールを決めて、機械的に買い下がっていく「買い下がり投資法」が有効だ。

2度の石油危機、市場はどう反応したか

今回のイラン戦争が株式相場に与える影響は不確実性が多く、先が見通せない。早々に「TACO」(Trump Always Chickens Out=トランプ米大統領はいつもしり込みして退く)がさく裂すれば、市場は何事もなかったように落ち着く可能性がある。逆に戦争が長引いて中東の原油生産・供給量が激減すれば、供給ショックと歯止めがかからない原油価格の上昇で、世界経済は大きな打撃を受ける。

最悪の事態として連想するのは過去に2度起こった石油危機だ。1973年10月の第4次中東戦争をきっかけにした第1次石油危機では、原油価格がわずか3カ月で4倍に上昇した。1979年のイラン革命と翌80年に始まったイラン・イラク戦争を背景にした第2次石油危機では、原油価格が3年で3倍近くになった。

このとき株式相場はどう反応したか。第1次では米国を代表する株価指数のS&P500は72年12月の直前の高値から21カ月をかけて46%下落し(下落率は月末値ベース、以下同じ)、その後、高値を回復するのに91カ月もの期間を要している。一方、第2次では20カ月間で24%下げ、それから5カ月で直前の高値まで戻した。

第1次と第2次の市場の反応の違いはその時々の世界経済や金融市場の状況を反映している面もあるが、第2次のダメージが相対的に小さかったのは、第1次石油危機を教訓として先進国が取り組んだ省エネ・省資源の進展なども影響しているだろう。今回のイラン戦争が長期化した場合、その後の産油国の顔ぶれの変化やエネルギー源の多様化などを考えると、第1次と同じほどの長期の低迷相場が発生するとは考えにくい。

相場はいずれ右肩上がりの軌道に戻る

では戦争が短期間で収束したときはどうだろう。参考になるのは2020年3月の新型コロナ・ショックだ。市場は未知のパンデミックによって世界中の経済活動が停滞・縮小するのではないかと怯え、S&P500は前年12月の高値から3カ月間で20%下落した。しかし日米欧の中央銀行による大量のマネー供給に加えてワクチン開発の進展が伝えられ、大底から4カ月目の7月には急落前の高値を回復した。

イラン戦争が短期間で収まるか、泥沼化するかはまったくわからない。ここで言いたいのは、たとえ世界経済に及ぼす戦争の影響が深刻だったとしても、過去の事例にならえば時間はかかるかもしれないが、株式相場はいずれ長期右肩上がりの軌道を取り戻すということだ。長期投資家なら、大きく下げた局面は安値拾いの好機となる。

では、下げ相場にはどう対応すればいいのだろう。10年単位の長期で積立投資をしているなら、それを粛々と続ければいいだけだ。一方、株式投信などを買い増したいがなかなか踏み切れないというなら、日経平均株価やS&P500などの株価指数が一定の比率だけ下落したらそのたびに購入するという「買い下がり投資法」を勧めたい。

ルールを決めて買えば迷わない

具体的には、例えば日経平均が直前の高値から10%下げたところから買い始め、その後は15%、20%、25%と下落率が5%広がるごとに追加で購入するという方法だ。市場環境が大きく揺れ動くなかでは相場の大底など予想できないと割り切って、株安に歩調を合わせて機械的に買い下がっていく。機械的に買っていくから、市場環境や投資のタイミングなどで迷うことがない。そして相場が下げ止まったらそこで追加投資はやめて、後は相場の戻りを待ってじっと持ち続けるだけだ。

細かいルールは各人が各様に決めてほしい。新型コロナ・ショックのように相場の下落期間が短い場合、下落率の刻みが5%だと追加購入の機会が限られてしまうので、3%刻みとしてもいい。1回の購入金額は定額でもよいし、少し勇気はいるが、株価が下がるほど投資額を増やしていけば相場が戻ったときの利益も大きくなる。

割高感が指摘されて久しい今の世界の株式相場は変動率が大きく、いつ何時、どんなショックに見舞われるかわからない。今回は買い下がるタイミングを逸したとしても、次の機会に備えて自分流の買い下がりルールを考えておいてほしい。

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